見た目も気になる外陰部にできるイボ。
ウィルスが原因です。
コンジローマとは
コンジローマは性器にできるイボです。ウィルスが原因です。原因になるウィルスの名前をヒトパピローマウィルス(HPV)と言います。HPVは子宮頸がんの原因としても知られていますが、いろんなタイプがいます。HPVは100種類以上もタイプがあり、コンジローマの原因になる代表的なタイプはHPV6とHPV11です。このタイプはがんの原因になることはありません。
コンジローマができるまで
HPVの感染
HPVはひふの中にいます。ひふとひふが触れると感染します。性器の周囲のひふに触れるのはもっぱら性行為ですね。コンドームはひふの全てをカバーするわけではないので、感染を完全に予防することはできません。
現在HPVはワクチンがあるので、接種すれば特定のHPV感染を予防できます。
そんなコンジローマの原因になるHPVを10%ほどの人がもっています。だから自分が感染してしまうのはそんなにめずらしくないのです
感染中は
感染したら、早いと数ヶ月くらいでコンジローマが発生します。そして3割くらいの人が自然に治ります。でも、HPVに感染している間はまた再発します。
自然には治らずにどんどん大きくなる場合もありますし、まったくイボができない人もいます。
コンジローマ(イボ)を取り除く治療はあるのですが、HPVの感染を取り除くことはできません。感染している限り3割の人が再発します。
残念ながらHPVの感染を治療する方法は今のところありません。
HPVの消失
HPVに感染している間は、コンジローマができたり治ったりします。いつまでもその状態というわけではなく、そのうち多くの場合、HPVの感染は消失します。感染に対する治療法はないのですが、自然には消えるのです。ちょっと安心ですね。どれくらいの期間で消えるのかは個人差ありますが、平均的には2年ほどと言われています。もちろん、ずーっと持続的に感染することもあり、その場合はやっかいです。
検査と治療
コンジローマ(イボ)があるかどうかは、目で見て診断します。性器にできるイボは、ガンのような怖い病気である可能性はほとんどなく、ほぼ、HPVによるコンジローマです。
HPVに感染しているかどうか気になる人もいると思いますが、感染したかどうかを調べる方法はありません。(方法自体はありますが、一般的に行われていません。治療を判断する材料にはならないのであまり意味がないからです。)
コンジローマは生命に関わる病気ではなく、単なるイボなので、生活に支障があるものでもありません。3割の人が自然に治るので、小さいものなら様子を見てもよいでしょう。
どんどん大きくなる場合や、見た目が気になる場合、近々妊娠を考えている場合などは治療の対象となります。治療法はぬり薬(ベセルナクリーム)、手術(電気メス、レーザー)、冷凍凝固があります。これらの治療は基本的にイボを除去する治療ですので、感染そのものは治療できません。ですので再発する可能性があります。
ぬり薬(ベセルナクリーム)
ぬり薬は手軽に開始できるので、まずぬり薬で治療を開始します。ぬり薬の欠点は3割ほどの人はなおらないということです。治るまで2ヶ月くらいかかります。
手術(電気メス、レーザー) 当院ではできません
1回の治療で目に見えるイボは除去できます。ひふそのものを除去するので元どおりになるのに1ヶ月くらいかかります。
冷凍凝固 当院ではできません
液体窒素によって直接、イボを冷凍して破壊します。週に1回治療して数回くらいで治ります。
コンジローマになったら
子宮頸がん検査のすすめ
コンジローマの人は子宮頸がんの原因になるHPVの感染が同時に起きていることも多いの です。コンジローマの人は子宮頸がんの検査を受けましょう。
梅毒検査(その他の性病も)のすすめ
HPVは性行為で感染するウィルスです。他のいわゆる性感染症(クラミジア、淋病、梅毒など)の可能性もあります。特に梅毒は、コンジローマのようなイボができることがあるので、検査をしておくべきです。
妊娠を考えているなら治療も考慮
コンジローマは妊娠すると大きくなりやすいことがわかっています。また、出産時に新生児へHPVが感染して、まれに新生児ののどに腫瘍ができることがあります。出産前にコンジローマを除去することで新生児への感染が予防できるとは限りませんが、妊娠前に治療しておくのはおすすめです。