HIVとは
HIVは性行為で感染するウィルスです。体液や粘膜の接触で感染するので、性行為以外の輸血、針刺し、出産時などでも感染しますが、多くは性行為で感染が広がっています。
このウィルスは白血球(正確にはCD4陽性T細胞)に感染します。
白血球の役目は、外から来た病原菌などを排除することです。いわゆる免疫ですね。
HIVが感染すると、白血球数が減少していき、8年くらいで、免疫機能が傷害されます。この状態をAIDSと言います。健康な人であればかからないような感染症にかかりやすくなり、命に関わることになります。
以前はHIVに感染すると、いずれ死に至ると考えられていました。今は抗HIV薬によりAIDSの発症を長期に抑えることが可能になり、命を奪われる疾患ではなくなっています。
有病率
世界ではおよそ4000万人の感染者がいます。
日本ではおよそ3万人の感染者がいて、毎年1500人が新しく感染しています。HIV感染者は平均して数千人に一人の割合となりますが、感染者が多いグループがあります。
- ゲイ、バイセクシャルなどの男性と性行為をする男性
- 薬物使用者(注射器での感染)
梅毒陽性の人もHIV感染率が高くなるようです。
感染のしやすさ
性行為(1回の性行為あたりの感染確率)
アナルセックスを受ける側 1%
膣でのセックスを受ける側 0.1%
オーラルセックス 0.04%
血液関連
輸血 90%
注射器の共有 1%
針刺し 0.2%
血液の飛沫 0.1%
検査
HIVの検査は採血です。2段階で行われます。
一次検査を行い、二次検査で確定します。
一般的に感染してからある程度の期間がたたないと陽性になりません。
新たしい一次検査法でまれにHIVではない人が陽性になることがあります。一次検査で陽性になったほとんどの人は二次検査で陰性になるので、この時点ですごく不安にならないようにしましょう。
問題なのは、一次検査でまれにHIVではない人が陽性になることがあります。一次検査で陽性になった殆どの人は二次検査で陰性になるので、この時点ですごく不安にならないようにしましょう。
どのような人が検査を受けるべきかは、難しいところです。HIV感染の初期段階では症状はなく。まれな疾患でもあるからです。
ある程度の目安として、
性交渉が定期的にある人
は一度はHIV検査をしましょう(保健所でも匿名無料で受けられます)
ゲイ、バイセクシャルの人と性行為がある人
風俗従事者や金銭授受を伴う性行為がある人
は1年に一度、HIV検査をしましょう。
他の性感染症が、見つかったとき(特に梅毒)
妊娠を考えるとき
は都度、HIV検査をしましょう。
予防的治療
HIVの治療法は日々進歩しています。医師でも最新の治療を熟知している人は専門家でない限りほとんどいないと思われます。
と言うわけで、治療法は割愛しますが、PEP、PrEPと呼ばれる内服法があることは知っておいても良いでしょう。
リスクのある性行為が予想される人のために事前に内服してHIVの感染を予防する方法がPrEPです。ただし、自費ですからすごく高価になります。
PEPは性交渉後や針刺し事故の後にHIVの感染を防ぐための内服法です。