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避妊法

避妊法

妊娠の仕組み

生理がくるようになれば、いつでも妊娠する可能性があります。妊娠とはどのようにして成り立つのでしょう。
妊娠の準備は脳がホルモンによってコントロールしています。このコントロールの仕組みはとてもややこしいので省略して考えてみます。

まず、生理とは、妊娠のための準備を一度リセットすることです。子宮内膜という受精卵を育てる組織が剥がれて出て行くことですね。生理とは、前の周期では妊娠しなかったというサインとも言えますし、次の妊娠準備が始まるサインでもあります。

妊娠のために必要なものは、卵子と精子と子宮内膜です。
生理がくると、女性の体は次の妊娠に向けて準備が始まります。

卵子

次の妊娠に向けて卵子が成熟を始めます。卵巣の中にはたくさんの若い卵子があり、その中から1つが選ばれて妊娠できる状態まで成熟するのです。この成熟は早くて1週間、遅くて3週間くらいかかります。

子宮内膜

次の妊娠のための新しい子宮内膜が作られ始めます。ちょっとずつ作られて厚くなっていきます。

精子

性交渉により腟から子宮に入り込み、卵管に到達します。精子はおよそ5日間、子宮内で生き続けます。
これで、卵子と精子が出会う準備ができました。

排卵

成熟した卵子が卵巣から排出されます。排卵ですね。そして子宮の卵管に入ります。卵子が子宮の中にいるのは2日程度です。
排卵は生理が始まった日から早い人は10日目、遅い人は25日目くらいでおきます。かなりばらつきがあります。

受精

卵管で卵子と精子が出会うと受精して、受精卵になります。当然、精子がたくさんいればいるど受精しやすくなります。受精卵は卵管から子宮内部へと流れていきます。

着床

受精卵が子宮内膜に着陸して、そこから発育を始めます。

妊娠検査陽性

着床から10日程度で尿の妊娠検査が陽性になります。ただし妊娠検査が陽性でもうまく発育せずに、陽性結果が消えてしまうこともあります。受精卵が順調に発育すれば妊娠ということになります。

避妊法

日本で一般的に使用される避妊法について説明します。ちなみに避妊をしなければ、1年間に85%の人が妊娠します。

リズム法

妊娠しやすい時期を推定する方法です。

過去の(一番短い生理周期から18を引いた数字)から、(一番長い生理周期から11を引いた数字)までが妊娠しやすい時期と考えられるのです。

精子の寿命は5日間、卵子の寿命は2日間ですから、排卵の5日前から1日後までに性交渉があれば受精する可能性があるのですね。

逆に言えば、その時期を外せば妊娠しにくいということになります。

生理の周期が一定であれば、排卵の時期も一定になります。生理が28日周期でぴったりであれば生理10日目から生理17日目が妊娠しやすい時期とわかります。

リズム法は残念ながら避妊法としては、あまりいい方法ではありません。

女性の排卵時期はかなりずれることが多く、うまく予測ができないのです。ただ妊娠しやすい時期の目安にはなるので、知っておいても損ではないでしょう。

リズム法では、1年間に25%の人が妊娠します。

コンドーム

精子が子宮に入らないようにする方法です。
コンドームはきちんと使用すれば、理論的にはいい避妊法です。
ただし、一般的には結構妊娠しています。うまく装着できなかったり、破れたり、外れたりといった アクシデントが多いこと。射精前だけ装着するような適切でない使用が多いこと。コンドームがなかった場合にうっかりそのまま性行為を行ってしまうように、理性的な判断が働かないことが多いこと。一番、問題なのは男性パートナーにほぼ依存していることですね。 避妊に失敗したかどうかわかるのが、腟外射精に比べるといい点でしょう。失敗したのがわかればアフターピルを使用する判断ができます。

コンドームでは、1年間に18%の人が妊娠します。きちんと使用すれば2%の人が妊娠します。[1]

腟外射精

腟外射精も避妊法としては効果が低いのです。タイミングが合わずに腟内に射精してしまうこともあります。自覚があればまだいいんですが、男性の中には自覚なく精液が漏出してしまう人もいます。

腟外射精では、1年間に22%の人が妊娠します。

ピル

ピルは排卵を起こさないようにする避妊法です。卵子の成熟が起きなくなるのです。
ピルはきちんと飲めばほぼ100%の効果があります。女性が主体の避妊法でもあります。しかし、どうしても飲み忘れることがあるのですね。

ピルでは、1年間に9%の人が妊娠します。飲み忘れ等なければ0.3%の人が妊娠します。

避妊リング

子宮内に挿入して、受精卵の着床を阻害する方法です。
一旦挿入すれば、時々診察で確認すればいいので、メンテナンスも手間がかかりにくいです。コストもピルに比べれば安くすみます。
短期間だけ避妊したい人には向いていません。数年程度、確実に避妊したい人にはいいでしょう。
欠点として、お産をしていない人には入らない場合があることです。子宮の出口が開いていないからですね。
出産後の女性が長期に渡り避妊するにはとてもいい方法と言えます。

おすすめの方法

おすすめとは言っても、選択肢はあまりないのが現状です。海外では注射やインプラントなどもっと便利な方法があるのですが、日本では使用できません。残念ですね。

とりあえず、リズム方、腟外射精は避妊法としてはよくありません。いつか妊娠すると思っておきましょう。

出産未経験の女性が確実な避妊を求めるならやはりピル一択ということになりますね。
出産後の女性なら避妊リングです。

もし、パートナーがある程度避妊に理解があれば、コンドーム+アフターピルも知っておくとよいでしょう。コンドームで失敗した時には、アフターピルを速やかに使うようにすれば避妊率がかなり改善されます。緊急時に使用できるようにアフターピルを手元に持っておくのがおすすめです。

[1] Trussell, J, Glob. libr. women's med, 2014

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